法律事務所からの着信がありました。この場合

弁護士の髙橋と申します。

もし本当に10年以上音沙汰のなかったものなのであれば、電話はやめておいた方が良いです。
時効が成立している可能性があります。
時効が成立している場合に、電話口などで債務の存在を認めてしまうと、せっかく時効期間が経過しているのに、債務の承認により、その期間が振り出しに戻ってしまうからです。

したがって、法律事務所名が分かっているのであれば、その法律事務所名宛に、
ウィルコムの債務については時効を援用する
旨の書面を送付しましょう。

時効は、時効期間が経過しても、時効の援用という意思表示をしないと、効果が確定的に生じません。
なので、時効の援用の意思表示は極めて重要です。

法律事務所宛だけでなく、ウィルコムの現会社であるソフトバンク株式会社宛にも送っても良いです。


なお、時効の援用の書面の記載内容としては、
できるだけ債務者を特定できる情報を記載しなければ、会社としても誰のことかわからないので、
あなたの氏名、住所、電話番号、当時のウィルコムの電話番号などがあればそれも記載しておきましょう。
氏名は旧姓と今の姓をわかるように併記します。
住所についても当時住んでいた場所が別の場所であるならば、旧住所として併記しましょう。


なお、時効が成立していなければ、援用も意味のない行為になりますが、援用の意思表示によって何らかの不利益になることはありません。
時効が成立していない場合として考えられるのが、知らないところで裁判をされていた場合くらいだと思います。
もし、相手から何か反論がなされれば、その時は改めてご相談ください。